
「布団に入ったのに、足先だけ氷みたい。」——そんな夜は、からだが“休息モード”に入れていないサイン。私たちは手足から熱を放って深部体温を少し下げることで入眠します。
ところが冷え性だと放熱のスイッチがうまく入らず、寝つきに時間がかかったり、眠りが浅くなりがちです。
なぜ起こる?
夜は本来、交感神経(活動)→副交感神経(リラックス)へ切り替わる時間帯。ところが体が冷えると「これ以上、熱を逃がすな!」という防御反応で交感神経が優位のままに。結果として、浅い眠り・中途覚醒・翌朝のだるさ…といった不調に繋がります。

ありがちな誤解→正しい対策
誤解1:暖房は朝までつけっぱなしが安心
→ 寝入りばなだけ暖かければOK。就寝前に寝室を軽く暖め、寝床は“予熱”してOFFが基本。電気毛布・布団乾燥機・湯たんぽは“入眠の手助け”に使い、寝るときは切る(または取り出す)と体温調節が崩れにくい。
誤解2:厚着で完全防備が正解
→ 厚着は発汗・蒸れでかえって冷えを招くことも。末端(足先・手首)だけピンポイントに温め、体幹は動きやすく。レッグウォーマーや湯たんぽの“局所温め”が効率的です。
誤解3:寝具は“とにかく重く・分厚く”
→ 重要なのは“軽くて保温が続き、湿気がこもらないこと”。軽さは寝返りのしやすさ=深睡眠の味方。吸放湿性と保温バランスのよい掛け布団を選びましょう。
からだ側の対策

- 3分ルーティン(就寝15〜30分前):
- 足首・ふくらはぎを各30秒ほぐす
- ゆっくり腹式呼吸×10回
- 白湯を少量
- 日中のめぐりケア:20分のウォーキングやストレッチを“毎日ちょっと”。
- 食の工夫:めぐりを支えるビタミンEを意識(例:ナッツ・かぼちゃ等)。
- 衣類:締め付けの強い下着・靴下は血流を妨げがち。就寝時はゆるく。
隠れ冷え性セルフチェック(当てはまる項目を数える)
- 冬は電気毛布/電気あんかを常用
- 温かい食べ物・飲み物を好む
- 風邪をひきやすい
- 肩こり・腰痛が気になる
- 風呂上がりにすぐ冷える
- 生野菜・果物をよく食べる
- コーヒーやお茶をよく飲む
3個以上:入眠サポート習慣(上の“3分ルーティン”+寝床の予熱)を今日から。
5個以上:日中の軽い運動を足し、寝具の見直しも検討してみましょう。

掛け布団の選び方(要点だけ)
- 軽いのに温かい:寝返りがしやすい=深睡眠に好影響。
- 湿気がこもりにくい:吸放湿性と通気のバランス。蒸れは冷えの元。
- ホコリが出にくい&洗える:鼻・喉への刺激を減らし年間を通じて清潔。
- キルトがズレにくい:温度ムラを減らし、肩口のスースー感を防ぐ。
- 季節でレイヤー運用:冬は“予熱+適温維持”、春秋は軽量布団へ調整。
最後に。冷え性と睡眠は“体温の微妙な揺らぎ”を取り戻す戦いです。入眠前だけ賢く温め、寝入ったらからだに任せる——このリズムが作れれば、あなたの夜はもっと深く、朝はもっと軽くなります。